固定資産税のための鑑定評価書の見方
標準宅地に係る不動産鑑定評価書の見方:
様式3<標準宅地価格評価の内訳(その2)>
様式3では、標準価格の査定と鑑定評価額の決定のプロセスが示されます。
1. 試算価格の調整と標準価格の査定
試算価格の調整は、各試算価格の再吟味と各試算価格が有する説得力に係る判断からなります。
(1)各試算価格の再吟味
再吟味の過程は、鑑定評価の手順の各段階について見直し、誤りなく適切に行われているか、整合性がとれているかについて客観的、批判的に検証し、その結果を試算価格にフィードバックして再計算する作業を繰り返すことによって各試算価格の精度と信頼性を可能な限り向上させる作業をいいます。
この場合に留意すべきこととされているのが次の事項です。
- 資料の選択、検討及び活用の適否
- 不動産の価格に関する諸原則の当該案件に即応した活用の適否
- 一般的要因の分析並びに地域分析及び個別分析の適否
- 各手法の適用において行った各種補正、修正等に係る判断の適否
- 各手法に共通する価格形成要因に係る判断の整合性
- 単価と総額との関連の適否
(2)各試算価格が有する説得力に係る判断
各試算価格が有する説得力に係る判断に当たって、留意すべきこととされているのが次の事項です。
- 対象不動産に係る地域分析及び個別分析の結果と各手法の適合性
「地域分析及び個別分析の結果」は「市場分析の結果」と読みかえることができます。試算価格の説得力の判断は、試算価格が現実の市場の需給動向を正確に反映しているか、市場参加者の行動原理(判断基準)をどの程度反映しているかが決め手となります。
- 各手法の適用において採用した資料の特性及び限界からくる相対的信頼性
試算価格の説得力は採用資料に第一義的に依存しています。採用資料の質と量の見きわめに関する鑑定士等の判断がここに示されることになります。
2. 公示(基準)価格を規(比)準とした価格
(公示価格を規準とした価格)
不動産鑑定士等は地価公示法第2条第1項の規定により、都市計画区域内において土地の正常価格を求める場合においては、公示価格を規準とすることが義務づけられています。公示価格を規準とするとは、対象土地に類似すると認められる一又は二以上の標準地を選択し、それぞれの位置、地積、環境等の価格形成要因と標準地のそれとを比較検討することにより各標準地の公示価格と対象土地の価格との間に均衡を保たせることをいいます。
地価公示は毎年1月1日現在の価格が3月下旬に官報に公示されるため、価格時点が平成17年1月1日で、標準宅地に係る鑑定評価書の提出が平成17年3月末とされる場合には平成17年の公示価格を記載することが時間的に間に合わない場合がありますが、この場合でも時点修正を適切に行うことにより、平成17年の公示価格との均衡が保たれるようにする必要があります。
(基準地の標準価格から比準した価格)
規準とすべき公示価格がない場合においては、都道府県地価調査による基準地の標準価格から比準して、本件鑑定評価における標準価格が都道府県地価調査による基準地の標準価格との均衡が保たれるようにする必要があります。
3. 対象標準宅地の鑑定評価額の決定
近隣地域の状況と対象地の画地条件等を比較して、価格修正を必要とする個別的要因の有無を判定したうえで、個性率を査定し、対象標準宅地の鑑定評価額を決定します。




